【レポート】命の大地・アフリカの魅力を語り尽す!「生きる」を実感する私たちのアフリカ旅

お元気ですか? 人前で話すときに緊張しがちなミギー(下半身が汗でビショビショになりがち)です。
そんな自分ですが、書籍のプロモーションをきっかけにいろんなイベントに登壇させてもらうようになりました。この記事では、2019年6月19日におこなわれた「命の大地・アフリカの魅力を語り尽す!『生きる』を実感する私たちのアフリカ旅」のイベントレポートをお届けします。

(文章:田中元さん 写真:ジェイ・メータさん)

はじめに

クリエイティブディレクターにして世界一周ブロガーの坂田ミギーさんの旅経験を綴った『旅がなければ死んでいた』(KKベストセラーズ)が6月28日に刊行されました。その記念として6月19日、ケニア在住31年目の早川千晶さんをゲストに、渋谷の「TRAIN TRAIN TRAIN」にてトークイベント『命の大地・アフリカの魅力を語り尽す!「生きる」を実感する私たちのアフリカ旅』が開催。旅の魅力、アフリカの魅力がたっぷりと語られました。

アフリカといえば大自然、プロポーズには牛10頭 !?

 坂田さんの後輩にあたる村山佳奈女さんの司会で、イベントは坂田さんのアフリカ旅話からスタート。「みなさんがアフリカと聞いて連想するのは自然だと思います」と、間近で撮影したシマウマやゾウ、バッファローやヌーなど、雄大な自然の中を生きる動物たちの写真がスライドで映し出されます。会場で見ている限りはなかなかショッキングな、ハゲタカが死んだ動物を食べている写真などもありますが、「その場で見ているとそういうことだなと、意外に受け入れられる」と坂田さん。

iPhoneで撮影してシマウマがこの距離
ゾウの親子
バッファローの水浴び

 荒野を背景にお昼ご飯を用意する早川さんの姿など、のどかな様子も映し出されますが、「ここは木の下なんだけど、ヒョウが来たり、ヒョウの獲物の足がぶら下がってたりすることもあるんだよね」と結構なエピソードをあっさり話す早川さん。

ランチの準備

 スライドにマサイ族の男性が映し出されると、坂田さんは彼らの視力がいかに優れているのか、弓矢の技術がどれほど高いのか、そしていかにイケメンだったのかに熱が入るとともに、「本当は恋人と一緒に行こうと思ってたんですよ。英語を勉強するためにフィリピンに1ヶ月留学したら、その間に浮気されてフラれて、壮大な傷心一人旅になってしまいました」と悲しい話も。

かっこいいマサイのふたり

 が、ケニアのマサイ集落を訪れた際、男性に「俺の妻にならないか」とプロポーズされたそう。「マサイの嫁になるのも面白そうだなと思いました。結婚したら牛がもらえるっていうし。ただ、相場は10頭らしいんですけど、求婚してくれた人は『僕の全財産の5頭をあげる』と少なめだったんですよ。世界一周する予定で日本を出てアフリカで、まだ予定しか進んでなかったところなんで」と、結局は断ってしまったというオチでした。

現地に溶け込みフェスにも参加

 話題はケニアからアフリカ南部の旅へ。ナミビアでは公共交通機関があまりないため、レンタカーでの旅がスタンダードとのこと。「対向車も少ないから運転もしやすいんです。その代わり、ゾウに注意とかの標識があったりしますが」

 ヒンバ族の村では現地の人たちから衣装を借りて、彼らと同じく全身に赤土とバターをまぜた皮膚用染料も塗ったという坂田さん。「髪の毛は肌と同じく赤土とバターを混ぜたものをつけて固めて、とにかくみんなおしゃれでした。ヘッドドレスや、ヤギの皮をなめしたスカートも貸してもらって」

ヒンバのコスプレをしてヒンバから買い物をする

 「ここまでやる人はなかなかいないですよね」と早川さんも賞賛、というか驚愕しますが、その後困ったことになったと坂田さん。「レンタカーを汚すと問題なので、全身洗わないと車に乗れないんですね。なんだけどシャワーはない。川までは歩いて三時間。結局、大きいゴミ袋を全身に巻いて車に乗りました」

 さらに、そうまでして丁寧に扱ったレンタカーはブレーキパッドが壊れていたそうで、「レンタカーを借りるときはみなさんもちゃんと整備されているか確認してください」と、お客さんへの旅アドバイスも。

 南アフリカでは音楽フェスを中心に様々なイベントが盛んで、坂田さんが特におすすめするのが「アフリカバーン」。アメリカはネバダ州で毎年開催されている「バーニングマン」の南アフリカ版だそうで、「何もない巨大な荒野に期間限定の街を作る、フェスというか祭というか、壮大な社会実験みたいな感じです。何か面白いことをしたい人たちが世界中から集まってきて、それぞれが自由に作品を展示したり催し物をやったり参加したり。会場を出るところに”Make the World Real”ってメッセージがあって、それが超グッときたですよ」と熱く語りました。

アフリカバーンの象徴「クラン」。でかい。

地の果てを超えてアフリカへ

 続いては早川さんの旅話。「私が若かった頃って、日本は高度経済成長期を終えてバブルに向かっていたんですね。でもその先はどうなるんだろうと思ったら、虚しさに襲われちゃって。生きていく意味や実感を自分の手で繋ぎ止めて、納得して生きていきたいと思ったんです。そのためにはこの世界にはどんな人たちがどんなことを考えていきているのか、どんな現実があるのか知りたい、それを掴まなければ一歩も前に進めないと思って」と、旅立ちの理由を語ります。

 続けて「この世の果てというものにすごく憧れた」とも。「でも、地の果てを求めて砂漠を超えてもジャングルを超えても、その先には人々の生きる営みがあったんです。いろんな厳しい生活条件の中で、それでも懸命に生きている人たちがいたんです。それでもさらに奥地へ奥地へと旅をしていくと、自然の強い力が覆いかぶさってきて、大きな命に包まれるような安堵感がありました。それがアフリカだったんです」

 こうして早川さんはケニアに留まることになりました。そして出会ったのが、ナイロビの巨大な貧民街・キベラスラムだったと言います。

キベラスラム

「ナイロビって高層ビルが立ち並ぶ、一見すると先進国と変わりない最先端の街なんだけど、その片隅にキベラはある。どん底の貧困、劣悪な生活環境。自分の家には水道もトイレもない、狭いバラックに家族すし詰めになっているような場所。たくさんの苦労がそこにはあるんだけど、誰もが早朝、真っ暗なうちから働いていて、人と人がつながりあっている。暮らしが大変だからこそ助け合っていて、とにかく生きることに前向き。お互いが声を掛け合って、みんなすごく元気なんです。今日も目が覚めたから生きていくぞという迫力。命ってこんなに尊いことなんだ、人の生きる姿ってこんなに美しいんだと、魂が震えるような思いがあって、私はその場所が、そこにいる人たちのことが好きになってしまったんですね」

 早川さんとキベラスラムとの出会いは、ご本人の著書『アフリカ日和』(旅行人)により詳しく書かれているので、興味のある方はそちらもぜひ。

マゴソスクールの給食

 そんな早川さんがキベラスラムに設立したのが、「マゴソスクール」という学校。

「学校といっても普通の学校ではなく、スラムの子どもたちや、家族を亡くした子どもたちのための学校です。家がない子はそこに住む。人生どん底まで行っちゃっても、マゴソスクールならみんなで力を合わせて乗り越えて、そこには希望しかない、そんな場所にしたいと思ってスラムの仲間たちと作りました」と早川さん。

給食はトウモロコシと豆を煮た物

「マゴソスクールを始めた時に必要だと考えたのは、ここに来ればいつでも食べ物があるという安心感でした。飢えというものは、肉体的にも精神的にも子どもたちを本当に深く苛むんですね。だから給食だけはどんなことがあっても、私たちがどれがけお金がなくても諦めずに続けていこうと頑張っています」

 その一助として坂田さんが企画したのが、著書『旅がなければ死んでいた』刊行とともに行う「1レビュー20食プロジェクト」。「AmazonやSNS、書評サイトなどでこの本のレビューを書いていただけたら、1件につき給食20食分をマゴソスクールに寄付する、というプロジェクトです」と坂田さん。SNSでは集計の都合上、ハッシュタグ「#旅がなければ死んでいた」を。なお、「Amazonは私が書かれた分を自分で数えるのでハッシュタグは不要です」とのこと。

「1レビュー20食プロジェクト」詳しくはこちらhttps://tabimania.jp/1revue20meal/

みんな感想を聞かせてね!

 また、同書刊行イベントとして全国手渡しキャラバンも企画されていますが、その資金がクラウドファンディングとなっているのは、印税も寄付するため、と村山さんが明かし、早川さんもびっくり。坂田さんは「いやらしいから自分からは言えませんでした」と照れつつ、「キベラの子たちに私も救われたし教わったので、恩を返したいから」との想いを口にしました。

アフリカへ向かうタイミング

 坂田さんは世界一周に旅立つ前、20代前半から広告業界でバリバリ仕事をして、賞も獲るなどの成功を収めていましたが、「ここまで達成したら幸せになるかなと思っていたんだけど、頑張ってそこまでいっても全然幸せを感じなかったんですね」と語ります。「肉体的にもやばいけど、涙も止まらず心も病んでいたんだと思います。そこでとりあえず休もうと思って。だけど幸せになれない理由はわからない。周りにいる人たちもそれまでの自分と同じような価値観で生きているから、もっと全然違う世界に触れないと答えは見つからない。そう思って旅立ちました」

 村山さんの「その答えは見つかりましたか?」との質問に、坂田さんは「ありました」と即答。その場所こそアフリカであり、また早川さんが語ったキベラスラムだったとのこと。「脳みそを殴られるぐらいの、生きるとは何かを感じました。アジア、ヨーロッパと旅して次にアフリカ。その後南米も行きましたけど、驚きがあったというか、生きる上で力をくれたのはアフリカだと思っています。命が濃い感じがするんです」

 村山さんの「疲れたOLが行くべきなのはハワイよりアフリカ」という名言に続いて、早川さんは「日本にいると自分の命は自分だけのもの、自分の力で生きていかなければならないという自己責任みたいなものが身についちゃうかもしれないけど、実はみんな命のつながりの中でお互いに生かされて生きていることが、アフリカにいると感じられます。疲れたらぜひアフリカに来てください」と呼びかけます。

 坂田さんも「歳をとってくると、以前はやりたかったことでももうやりたいと思わなくなってたりするじゃないですか。それじゃもったいない。今はそのタイミングじゃなくても、行きたいという気持ちを持ち続けて欲しいですね」と話します。

 早川さんも「現実には治安のことや病気のことなど、ハードルの高さがあるので、誰でも来られるなんて無責任には言えません。でも、勇気が出ないからと諦めちゃうのはもったいない。旅の方法は色々あるし、それぞれの良きタイミングはきっとあります。一歩踏み出すかとどうかで人生変わるし、こんなに広い世界が広がっているとワクワクすることが生まれて来ます。もうそのタイミングは始まってるかもしれない」と客席の旅心をくすぐり、この日のイベントは幕を下ろしました。

おわりに

ドキドキのトークイベント、まさかの超満員に感激……!来てくださったみなさんありがとうございました。当日来られなかった方も、このイベントレポートを読んでくださって感謝です。
これからも、いろんなところでイベント開催予定なので、地球のどこかでお会いできるとうれしいです。

読んでくれてありがとう、またね!

I’m still alive , and i love u.

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